青函連絡船 ものがたり [JITOZU_施設]
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写真は、青森にて保存されているメモリアルシップ八甲田丸の勇姿である。
車両渡船として甲板に鉄道車両を積み込むアプローチが、よく分かる写真だ。よくぞ、保存してくれた!と思わせる構図だ。というのも、青函連絡船は、鉄道車両と乗客を同時に運ぶ船という世界にも稀に見るシステムで運航されていた。そのため、様々な苦労と工夫の上で運航されていたそうだ。
その歴史については、坂本幸四郎著、青函連絡船ものがたりに詳しい。本書では、乗組員だった著者が、膨大な資料を元に連絡船の歴史を紐解き語った本だ。
特に連絡船史上最大の事故となった洞爺丸台風による事故の検証は、当事者として生々しく語るも、船員の努力と判断の正当性を主張する。
また、著者の業務は通信関係であるためか、車両の話が少なく車両好きには残念だが、青函連絡船の存在を後世に残すという役割は存分に果たしている。
私は、残念ながら青函連絡船に乗ることはできなかった。しかし、同時に廃止となった宇高連絡船には、乗ることが叶った。
この旅と鉄道1988年冬の号は、当時、記念に購入したものである。青函連絡船のくだりには、廃止を残念に感じ乗船した青森の人々の話が掲載されている。
青函連絡船ものがたりの末章にも、青森の人々にも愛されたとあり感慨深い。
今は、新幹線の通過点でしかない青森も、当時は交通の要所であり、そのことが、青森人の誇りであったことが伺い知ることができる。
鉄道が作る文化とは、こういうことなのだと思う。
2017-02-03 22:46
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